「おやおやぁ、誰かと思えば。亜莉亜サンじゃないですか。」
この声に、この口調。
私は驚いて振り返った。
『き…！いや、浦原か。』
あくまで涅や隊員たちの手前。
私は、喜助と言いかけて、浦原と呼び直した。
『どうしてこっちに？』
喜助は微笑みながら亜莉亜の近くに歩み寄った。
喜「緊急事態だから、なるべく多く優秀な人材が必要だと、総隊長サンに言われましてね！臨時で局長をやらせてもらってるんスよ。」
『そうなのか』
亜莉亜は納得した。
マ「全く、腹立たしい！貴様の手など借りる必要はなかったがネ！」
喜「まあまあ、そう仰らずに。落ち着きましょう。ねぇ？」
怒りを露にするマユリに対し、喜助はそれをなだめようとするが…
マ「フンッ」
マユリはそっぽを向き、どこかに行ってしまった。
喜「あらら……。そういえば、涅サンに何をお願いしていたんですか？」
『修行用の、霊圧遮断空間を。──喜助、どうにかならないか？』
亜莉亜は小さい声で言った。
喜「あぁ。それでしたら、既に作ってありますよ。」
にこやかに答える喜助。
『へ？』
思わず亜莉亜は聞き返した。
喜「いずれは必要になると思ったんで。ちょっと待っててくださいね。」
ポカンとしている亜莉亜をよそに、喜助は別室へと入っていった。

しばらくして、喜助は四本の小さな棒を持ってきた。
『これは……』
喜「修行で使う場所の四方にこれを刺してください。そしたら自動的に強固な結界を張りますんで、その範囲を出ない限りは霊圧が漏れることはありません。あと、結界が張られている範囲は、外からは一切見えませんし、外部の者は入れませんから。」
『高さは？』
喜「少なくとも、尸魂界内であれば効力があります。」
つまり、ほぼ無限。