まさか、こうして偶然にも見つけることができるとは。
その男の記事を詳しく読もうとした、そのとき──
ドカァァン！
すさまじい爆音と共に、重い地響きが辺りを襲った。
『！？』
拓「何、今の！」
二人は、急いで外に出た。
外から見てみると、我妻家の屋敷の一部が崩れ、そこから火が上っている。
使「拓斗様！屋敷が屋敷が……！」
拓「見れば分かるって。また酷くやってくれたもんだね。修理代のことも考えてほしいよ。」
切羽詰まった様子の使用人に対して、拓斗は落ち着いている。
使「あの、あの…」
拓「負傷者は？」
使「恐らく、いないかと」
使用人の言葉に、拓斗は安心したように表情を緩めた。
拓「じゃ、後は俺らに任せて、他の皆と安全な場所に避難してて。」
使「は、はい！」
使用人が避難したのを確認すると、拓斗はいつものように亜莉亜の近くに寄った。
亜莉亜は、壊れた屋敷の上辺りをじっと見ている。
『この感じ、夢の中で感じたものと一緒だ。つまり、奴がここに──？』
拓「この霊圧、これが……」
緊迫した空気の中、二人は斬魄刀に手をかけた。
「よ〜ぉ、探し物は見つかったかぁ？」
突然男の声が聞こえ、亜莉亜と拓斗はその声の方を見た。
辺りが暗いため、その男のシルエットしか見えなかったが、その男が、屋敷の屋根の上に浮いているということは分かった。
『お前が"黒雷乃雅（コクライ ノガ）"か。』
亜莉亜は、先程の見た資料に載っていた、男の名を言った。
乃「よく分かったなぁ！そうだ。俺が、不敗かつ最狂の反逆者、黒雷乃雅だ…っと」
そう言ったと同時に、乃雅は亜莉亜たちへと攻撃を仕掛けてきた。
乃雅の伸ばした右腕から、鬼道のような爆撃が飛ばされる。
『消せ、闇鬼！！』
亜莉亜は瞬時に刀を開放し、刀を軽く振った。
乃雅の間に、黒い壁が張られる。