第十八話 ー危惧ー
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拓「俺は分かってるから。亜莉亜は強いけど、──。隊長だから、何もかもを背負わなきゃいけないなんて、思わないで。」
拓斗が喋るのを止め、辺りはしんと静まる。
亜莉亜はフッと息を吐くと、真っ直ぐに前を見た。
『お前は、何か勘違いをしてるんじゃないか?』
拓「!」
亜莉亜はクルリと振り返る。
力強い目が、拓斗をとらえる。
芯の通ったいつもの目だ。
『お前のことだから、小さいころの私はよく泣いたのに、今は我慢して泣かなくなった、とでも思ってるんだろ。』
拓斗が目を逸らす。
図星らしい。
『違う。』
拓「……」
『そりゃあ、お前が知っているように、私は泣き虫だ。だけど、私は、隊長になったから泣けなくなったんじゃない。泣いている暇が無くなったんだ。』
亜莉亜は拓斗の目を見た。
『何を失おうと、どんなに悲しかろうと、私には常に、護らなければならないものがある。だから、立ち止まる訳にはいかない。泣いている暇があったら、今近くにあるものを、私にあるものを護らなければ。──そういう訳だ。心配してくれるのはありがたいが、お前にはお前の考えを貫いてほしい。きっとそれが最善だから。私は後悔しないから、お前も後悔はするな。』
その言葉を聞き、拓斗がゆっくりと微笑む。
拓「わかったよ」
二人は再び足を進めた。
キィィィ…
我妻家の屋敷の大きな門が開かれる。
『いつ見ても、壮大な屋敷だな。』
開かれた門の奥を見て、私は言った。
拓「お褒めに預り、誠に光栄でございます。ってね!誰かさんのお蔭で、どこぞの四大貴族よりも裕福になっちゃったからね〜。さ、入って。」
亜莉亜は軽く頷くと、拓斗の後を付いていった。
「「「ぼっちゃん、お帰りなさいませ。」」」
使用人らしき人たちが、丁寧に頭を下げる。
拓「いや、ぼっちゃんじゃないし。いつもぼっちゃんって呼ばれてないし。」
「はははっ……拓斗様、ジョークというものでございますよ。」
使用人の一人が、笑いながら答える。
拓「今、ジョークはいらないから……はぁ。」
拓斗がため息をつく。
拓斗が喋るのを止め、辺りはしんと静まる。
亜莉亜はフッと息を吐くと、真っ直ぐに前を見た。
『お前は、何か勘違いをしてるんじゃないか?』
拓「!」
亜莉亜はクルリと振り返る。
力強い目が、拓斗をとらえる。
芯の通ったいつもの目だ。
『お前のことだから、小さいころの私はよく泣いたのに、今は我慢して泣かなくなった、とでも思ってるんだろ。』
拓斗が目を逸らす。
図星らしい。
『違う。』
拓「……」
『そりゃあ、お前が知っているように、私は泣き虫だ。だけど、私は、隊長になったから泣けなくなったんじゃない。泣いている暇が無くなったんだ。』
亜莉亜は拓斗の目を見た。
『何を失おうと、どんなに悲しかろうと、私には常に、護らなければならないものがある。だから、立ち止まる訳にはいかない。泣いている暇があったら、今近くにあるものを、私にあるものを護らなければ。──そういう訳だ。心配してくれるのはありがたいが、お前にはお前の考えを貫いてほしい。きっとそれが最善だから。私は後悔しないから、お前も後悔はするな。』
その言葉を聞き、拓斗がゆっくりと微笑む。
拓「わかったよ」
二人は再び足を進めた。
キィィィ…
我妻家の屋敷の大きな門が開かれる。
『いつ見ても、壮大な屋敷だな。』
開かれた門の奥を見て、私は言った。
拓「お褒めに預り、誠に光栄でございます。ってね!誰かさんのお蔭で、どこぞの四大貴族よりも裕福になっちゃったからね〜。さ、入って。」
亜莉亜は軽く頷くと、拓斗の後を付いていった。
「「「ぼっちゃん、お帰りなさいませ。」」」
使用人らしき人たちが、丁寧に頭を下げる。
拓「いや、ぼっちゃんじゃないし。いつもぼっちゃんって呼ばれてないし。」
「はははっ……拓斗様、ジョークというものでございますよ。」
使用人の一人が、笑いながら答える。
拓「今、ジョークはいらないから……はぁ。」
拓斗がため息をつく。