真っ黒な夜空に輝く、小さな光たち。
今日はよく星が見える。
俺は、自室の前の縁側で、のんびりと寛いでいた。
ここは我妻家。
そう、俺が当主で、上流貴族の。
今日あった出来事を振り返りながら、つい俺の大事な大事な人のことを考える。
亜莉亜、どうしてるかな。
”気にするな。”
そんなことを言ってはいたけど、やっぱり叉夜ちゃんを奪われたショックは大きいはず。
俺は──少し、後悔してたりもする。
亜莉亜の気持ちをもう少し尊重できたら良かったのにな。
あの時は亜莉亜を護ることしか、頭の中になかった。
はぁ。
やっぱ俺って駄目だな。
ため息が出てくる。
自分で言うのもなんだけど、今、俺って、珍しくマイナス思考だよね。
せっかくシリアスに考え込んでるのに、
──何で皆は気を使ってくれないのかな。
「ほら飲め飲め！！」
「一気いけぇぇ！」
「そらよっ！！」
「飲んだぁぁああぁあ～」
屋敷の中から、すさまじい叫び声が聞こえてくる。
そう、俺の家臣たちは、今まさに宴会の真っ最中。
こんなんじゃ、シリアスな空気になろうにもなれない。
っていうか、俺、ここの当主だよね？
どうして俺そっちのけで宴会しちゃってんの？
拓「はぁ〜」
さっきよりも深いため息が出てしまう。
我妻家の家臣たちは、何故か宴会好きなのだ。
毎晩毎晩騒がしいのは、もう普通になってしまっている。
ま、いいや。
うちは財政困難ってわけでもないし。
むしろお金は有り余ってる。
でも、よくよく考えてみたら、それも俺のおかげだよね？
零番隊の給料は護廷とは桁違いだもんね。
それだけハードな仕事と任務をこなしてるから。
ハードな任務──。
ルシファーってやつが言ってた”あのお方”。
あれがもし実際に復活したら、それも零番隊の管轄になることは間違いない。
ルシファーたちの話からすると、封印されている、もしくは死亡していて、それを復活させるということみたい。