ルシファーがそう言ったのと同時に、亜莉亜たちの前に湖娘が現れた。
レ「ちょっと罵っただけで、すぐに自我を失っちゃって！刀を解放するまでもなかったわ。」
そう言う湖娘の腕には、ぐったりとした叉夜が抱えられている。
『吉沢！……叉夜を放せ！』
レ「嫌よ！ルシファー、行きましょ。もうこいつらの相手は終わりよ。」
湖娘がルシファーの背中に隠れる。
ルシ「そうですねぇ。……ですが、その前に。」
ルシファーは、今にも湖娘たちに斬りかかろうとしている亜莉亜に目を向けた。
ルシ「…私たちの本当の目的。教えて差し上げましょうか？」
『本当の、目的。だと？』
レ「時間の無駄よ。」
ルシ「これくらいは構いませんよ。…どうせ我らは散り行く魂なのです。あのお方もきっと許してくださいます。それに、あのお方は説明というものを酷く嫌われます。それならばここで全てを明かそうとも、お怒りにならない筈。」
『…』
亜莉亜はルシファーの言葉を静かに聞いている。
ルシ「…単刀直入に言いましょう。我々の目的…それは、あるお方の復活、です。」
『復活？……誰を、だ。』
亜莉亜は"あるお方"の名を聞き出そうとする。
だがルシファーは首を振った。
ルシ「残念ですが、それはあの方ご自身からお聞きなさい。我らはあの方の魂の片割れなのです。我らが一つになるとき、あのお方は新たな命を手に入れる。そして、あのお方が息を吹き返したとき…この世のすべてはあのお方の物となる。」
『…フッ』
ルシファーがそう話したとき、亜莉亜が小さく笑った。
ルシ「…何が可笑しいのです。」
『大層なこと言ってくれるじゃないか。残念だが、この世は誰の物にもならないぞ。…誰の物にもさせない。』
亜莉亜の言葉に拓斗が頷く。
ルシ「そんなことを言っていられるのは、今の内ですよ。あなた方は、あの方に触れることすらできない！」