第十六話 ー目的ー
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湖娘の刀が、新炉の頭上に振り落とされる。
無情にも新炉は命を──とはならなかった。
新「た…いちょう…」
『あぁ、もう──!』
苛立ちの色を見せる亜莉亜が、湖娘の剣を受け止めていた。
拓「亜莉亜……」
拓斗は、ほっとするような、優しい瞳で亜莉亜の行動を見守る。
レ「なっ!──あんたにとって、こいつや、零番隊の隊員は敵でしょ!?何でこいつを庇うのよ!」
『…』
亜莉亜は答えない。
レ「…目の前で誰かが死ぬのは嫌ってやつ?それは偽善っていうのよ。それとも…」
『見ていられないだけだ』
レ「は?」
『あまりにも哀れすぎて、な。あれだけお前のために尽くしたのに、結局はこの有り様。──まぁ、こいつらと共に戦った日々が忘れられない私も、似たようなものか』
亜莉亜の言葉に、湖娘は笑い出す。
レ「ふっ…あたしの話聞いてた?そーゆーのを偽善っていう」
『偽善だろうが何だろうが構わない。黒崎の喝で、やっと気持ちが整理できた。やっぱりあいつらは、私の仲間だ。どれだけ馬鹿でも、切り捨てられない。──どうやら、私はまだ、あいつらを信じているらしい。」
湖娘の顔が歪む。
『お前もだ、新炉。』
新「…俺、は……」
新炉は目を伏せる。
『いい。全部分かってる。』
新「……」
そして亜莉亜は、湖娘に刀を向けたまま、後ろの隊員たちに声をかけた。
『──私を敬えとは言わない。そんなに敬われる程の人間じゃない。』
視線は遠くを見据えて。
『──私に着いて来いとも言わない。私は私がしたいように進むだけだ。』
隊員たちは静かに亜莉亜の言葉を聞いている。
『私が望むのはただ一つ。私はお前たちを信じる。だから、お前たちも私を信じてくれ』
隊「隊長…」
隊「…」
拓斗は、隊員たちの気持ちが一つにまとまっていくことを、確かに感じていた。
杏「…たいちょっ」
うっすらと涙を浮かべる杏樹。
やっぱり、隊長は隊長だ。
限りなく強くて、限りなく優しい。
無情にも新炉は命を──とはならなかった。
新「た…いちょう…」
『あぁ、もう──!』
苛立ちの色を見せる亜莉亜が、湖娘の剣を受け止めていた。
拓「亜莉亜……」
拓斗は、ほっとするような、優しい瞳で亜莉亜の行動を見守る。
レ「なっ!──あんたにとって、こいつや、零番隊の隊員は敵でしょ!?何でこいつを庇うのよ!」
『…』
亜莉亜は答えない。
レ「…目の前で誰かが死ぬのは嫌ってやつ?それは偽善っていうのよ。それとも…」
『見ていられないだけだ』
レ「は?」
『あまりにも哀れすぎて、な。あれだけお前のために尽くしたのに、結局はこの有り様。──まぁ、こいつらと共に戦った日々が忘れられない私も、似たようなものか』
亜莉亜の言葉に、湖娘は笑い出す。
レ「ふっ…あたしの話聞いてた?そーゆーのを偽善っていう」
『偽善だろうが何だろうが構わない。黒崎の喝で、やっと気持ちが整理できた。やっぱりあいつらは、私の仲間だ。どれだけ馬鹿でも、切り捨てられない。──どうやら、私はまだ、あいつらを信じているらしい。」
湖娘の顔が歪む。
『お前もだ、新炉。』
新「…俺、は……」
新炉は目を伏せる。
『いい。全部分かってる。』
新「……」
そして亜莉亜は、湖娘に刀を向けたまま、後ろの隊員たちに声をかけた。
『──私を敬えとは言わない。そんなに敬われる程の人間じゃない。』
視線は遠くを見据えて。
『──私に着いて来いとも言わない。私は私がしたいように進むだけだ。』
隊員たちは静かに亜莉亜の言葉を聞いている。
『私が望むのはただ一つ。私はお前たちを信じる。だから、お前たちも私を信じてくれ』
隊「隊長…」
隊「…」
拓斗は、隊員たちの気持ちが一つにまとまっていくことを、確かに感じていた。
杏「…たいちょっ」
うっすらと涙を浮かべる杏樹。
やっぱり、隊長は隊長だ。
限りなく強くて、限りなく優しい。