一護は目を伏せる。
拓「何も分かってないくせに、偉そうなこと言うな」
拓斗は一護に背を向ける。
一「──そんなもん、分かってるよ。」
拓「……」
一「お前らの目を見たら、単純な話じゃねえんだろうなって、何となくだけど分かった。俺が口出しできる事じゃないっていうことも分かってる！」
振り返った拓斗と一護の視線がぶつかる。
一「だけど──だからこそ、抱え込まれたくねぇんだ。…お前らは」
一護がそこまで言いかけたとき、辺りを異様な気配が包み込んだ。
「面白くないですね。折角、あなた方が苦しむのを見物していたのに。」
『この声──！』
ルシ「死神代行、貴方は我々の計画に邪魔でしかない。まずは、死んでもらいましょう。」
シュッ
一「！？」
突然、一護の目の前に何かが現れた。
ア「初めまして、私はアスモデウス。貴方を殺す女よ。」
アスモデウスは不敵な笑みを浮かべると、扇子の形をした自らの武器を構えた。
一「ご丁寧にありがとうな。俺は死神代行黒崎一護。あんたに俺が倒せるとは思えねぇけど」
一護はそう言って頭を掻く。
『黒埼、油断するな！そいつは──』
ルシ「アスモデウス。早く死神代行を。」
アスモデウスと対峙したことのある亜莉亜は一護に忠告しようとするが、ルシファーはそれを遮り、アスモデウスに指示を出す。
ア「ごめんなさいね。私は貴方に手加減できないみたい。いくわよ。」
アスモデウスの姿が、一護の前から消えた。
一「…ッ！？」
キィィン…
斬月とアスモデウスの刃がぶつかる。
ア「なかなか良い反応をするじゃない。…もっと私を楽しませて。」
一「（こいつ…！）」
一護は必死に応戦する。
『……』
亜莉亜は一護たちを横目で見つつ、ゆっくりと立ち上がった。