『…黒崎、何故邪魔を』
一「悪ぃ。先、謝っとく」
亜莉亜が聞き返す前に、亜莉亜の頬に鈍い痛みが走った。
亜莉亜はよろけて俯く。
前を見てみると、一護が肩を震わせながら拳を握り締めていた。
拓「おい……黒崎一護。何してくれてんの？」
亜莉亜が一護に殴られ、怒りを露にする拓斗。
だが一護は動じない。
一「何で──何で、あいつらを助けようとしないんだよ！！お前ら同じ隊の仲間だろ！？」
『これが零番隊の方針だ。お前には関係ない』
一「関係なくねぇよ！！俺、前に言ったよな。俺たちに手伝えることがあったら、何でも言ってくれって。」
『これは……私たちの問題で、お前らには関係ない！！』
態度を変えない亜莉亜に、一護はふうっと息をついた。
一「──ずっと、あいつらを助けるか、迷ってたんだろ。」
やわらかい口調になる一護に、亜莉亜は口を閉ざす。
一「お前ら仲間だろ？何を迷う必要があるんだよ。助けたら良いじゃねぇか。どんな理由があろうとも。」
『……あいつらは、根も葉もない噂話を信じ、共に戦ってきた私たちを一切信じなかった。──それならば、私も情は切り捨てる。今までの私が甘すぎたんだ。元より実力主義のこの隊。弱者は不要だ。ろくな働きもできない者をふるいにかけるだけだ。──それで、何が悪い！』
亜莉亜は叫ぶようにそう言うと、拳を震わせ俯いた。
隊「隊長…」
亜莉亜の言葉を聞いた零番隊の隊員たちに、動揺が広がる。
拓「黒崎一護、どいてくれる？──きみには分からないでしょ？仲間だった奴らに、白い目で見られる苦しみ。周りから孤立し、感じる絶望。──きみだって辛い思いをしてきたかもしれない。だけど、きみと俺らは違うんだ。内輪の問題に口を出さないでくれるかな。」
拓斗は冷たい目を一護に向けた。