魅「あら、神影隊長。もうご退院なされたのですね？傷も癒えたようで安心いたしましたわ」
『華紅彌、隊長…！』
微笑みながら亜莉亜に近寄る魅月。
『──零番隊に何かご用で？』
明らかに好意を含まない声で訊ねる。
魅「いえ。特に用事はございませんわ。ですが、零番隊は襲撃を受けたばかりですし、隊長や副隊長、ましてや三席まで不在の状況。何かあっても対応しきれませんし、なにしろ隊員たちは不安でしょう？ですから、様子を見に来ていたのです。」
龍「隊員たちの精神状態も心配だって言って、わざわざ来てくれたんだぜ」
途中から龍も口を挟む。
『そうか。──では、もう心配はいらないので、お引き取りを』
魅「えっ…」
隊「そんな…」
隊「せっかく来てくださったのに」
あちこちから驚きの声もあがる。
龍「隊長！そんな言い方ないだろ！せっかく俺たちのことを考えてくれたのに！」
『……』
魅「焦る気持ちも分かりますが、まだ隊員の中には不安定な者もいるのですよ？貴女にはそれを癒してあげることができますか？」
挑戦的な亜莉亜の態度に魅月も厳しい声で話す。
『ふぅん。こいつらの中に、華紅彌隊長に癒してもらわないといけないほど不安定なやつが、そんなにいるのか？』
魅「ええ。たくさん」
『じゃあ、そんなやつは華紅彌隊長の隊にでも移隊して、じっくり癒してもらえばいい。』
亜莉亜の発言に、周囲がどよめく。
龍「おい！そんな──もっと気遣ってくれてもいいじゃねえか！仲間だろ！？」
龍が悲痛な表情で叫ぶ。