襲撃から丸一日が過ぎ、やっと退院の許可が降りた亜莉亜は、零番隊への道のりを急いでいた。
拓斗は調査でいない上に、杏樹はまだ入院していて隊舎にはいない。龍がちゃんとできているかが心配だった。
考え事をしながらも、常に警戒は解かない。
周りの霊圧を探りながら進む。
『着いたか。』
いつの間にか目の前にそびえ立つのは《零》と書かれた巨大な門。
隊「神影隊長！？」
隊「もう怪我は大丈夫なんですか？」
門番をしている隊員が声をかけてくる。
日頃は門番を置いていないのだが、あの襲撃があって以来、用心のためにと隊員たちが交代でこなしているのだ。
『大丈夫だ。それより、十分に注意しろよ？気を抜くな。』
隊「はい！もちろんです。何があっても絶対に敵を通しません！」
『それもだが、お前たち自身もだ。何かあったらすぐに私を呼べ。間違っても、命を簡単に捨てるな。』
隊「は、はい！」
隊「ありがとうございます！」
『じゃあ、ここは頼んだぞ。』
隊員に激励の言葉をかけ、亜莉亜は門をくぐった。



中に入ると、龍がしきっているのには珍しく、黙々と作業をしている隊員たちが目についた。
ほっと息をつく亜莉亜だったが──