『霊圧が違うんだ。襲撃者の霊圧と、華紅彌の霊圧が──』
卯「では、華紅彌隊長では無いという可能性もあるのですね…」
京「難しいところだねぇ…」
『零番隊隊長の権力を使って、アイツを犯人に仕立てることもできる。だが、私自身も確証が持てない。だから──』
しんと静まり返る部屋。
「じゃあ、俺に任せてくれる？」
『！』
拓「俺が確証をつかんで、亜莉亜が納得できるようにする。安心して、待ってて」
『拓斗──』
拓「じゃ、早速ちょっと色々探ってくるから、この資料よろしく！」
シュッ
亜莉亜に紙の束を押し付け、拓斗は瞬歩で消えてしまう。
『……』
呆気にとられて、立ちすくむ亜莉亜。
京「隊長想いの良い副隊長じゃないの」
微笑みを浮かべながらそう語る京楽。
卯「ここは我妻さんに任せてみるのが良さそうですね」
卯ノ花の言葉に押され、亜莉亜は固くなっていた表情を崩した。
『はぁ、また拓斗に頼ることになってしまったな…』
卯「亜莉亜さんは一人で抱えすぎですよ。」
京「もう少し気を抜いて、周りに頼ってみてもいいんじゃない～？」
七「隊長はもう少し気を引き締めて仕事してくださっても良いと思いますが？」
京「おっと。七緒ちゃんは厳しいなぁ～」


隊首会の後、卯ノ花に連れられて再び四番隊に向かう。
その途中、あの襲撃の後とは思えないほどの輝きを放つ《青空》を見ながら亜莉亜は思うのだった。
もう少し仲間に頼ってみても良いかもしれないと。