『ちゃんと話をするのは久しぶりだな』
亜莉亜は現世・浦原商店の前に来ていた。
喜助いるかと言いかけた瞬間、目当ての人物が飛び出した。
喜「亜莉亜サ――ンッ！…ようこそいらっしゃいました～」
『少し話がある。上がってもいいか？』
喜「例の件ですね。どーぞ上がってください」
真剣な様子の亜莉亜に、喜助も真面目な表情になる。

夜「おぉ…亜莉亜か」
中では黒猫の姿になっている夜一がくつろいでいた。
『少し話があってな』
ボフンッ
夜「例の事件か。さては何か動きがあったんじゃろ？何があった」
人間の姿になった夜一が亜莉亜の正面に座り、亜莉亜の目を真っ直ぐに見つめる。
そして、喜助が座ったことを確認した亜莉亜は、今の状況を全て二人に話した。
夜「──なるほどのう、確かに難しいな」
喜「おそらく罠と考えた方が正しいんでしょうが、敵が既にこの空座町に何か仕掛けをしている可能性もありますし」
険しい顔で悩みこむ二人。
『それで、一つだけお願いがあるんだ。』
夜「何じゃ？」
『おそらく、敵は私が来ても来なくても、この空座町を攻めるだろう。私も負ける気は毛頭無い。──だが、もしもの事があれば、後を頼みたいんだ』