『王属特務零番隊だ。…といっても理解できんだろうがな。』
一「護廷十三隊とは違うのか？」
雨「…そんな隊は存在しないはずだ。」
茶「ム…」
織「う―んと…？」
喜「それでは王属特務零番隊について、アタシが分か――りやすく説明しましょう！」
どこからともなく現れた喜助が意気揚々と言った。
『思ったよりも早い復活だな』
怜「…」
亜莉亜と怜の心の内も知らず、喜助は嬉しそうに説明を始めた。
喜「王属特務零番隊…それは、各隊から集められた優秀な死神のみが入ることを許される、最強の隊！活動内容は主に、十三隊では難しいと思われる難易度のかなり高い任務の遂行、そして、王族の護衛、死神の統率…ちなみに、亜莉亜サンはそこの隊長っす」
雨「そんな隊は存在しな…」
喜「できたばかりですしねぇ…皆さんが知らないのも無理はないと思いますよ。」
一「…なんかよく分かんねぇけど、そういう話だってんなら受け入れるしかねぇよな。死神代行の黒崎一護だ。よろしくな。」
一護は亜莉亜に手を差し出した。
『話が早くて助かる。王属特務零番隊隊長、神影亜莉亜だ。宜しく頼む。』
亜莉亜は一護の手をしっかりと握り返した。
『隣にいるこいつは零番隊第五席の霧生怜だ。』
一「…五席なのか？てっきり、副隊長だと思ってた。」
『…副隊長は隊舎に残してきた。』
困ったような表情で亜莉亜は言った。
雨「普通隊長と副隊長は一緒に居るものじゃないのか？」
怜「あいつらを現世に連れてくると、大変なことにな――」
ドタドタッ
スパァァン……
いきなり物音がして、勢いよく障子が開いた。
織「わあっ！」
杏「隊長ッ！…早く帰ってきて下さいよ！私じゃ、あの二人は押さえきれませんッ！」