包みを開いてみると、そこには…
『！…そうか、預けたままだったな』
拓「もう二度と預からないよ。亜莉亜が無茶な事しようとしたら、俺も一緒に無茶するから」
あのとき拓斗に渡した《零》の羽織があった。
杏「そうですよ！一人で背負い込まないでくださいっ！」
龍「俺は、処刑されたらされたでオッケーだから！！」
拓「何がオッケーなのか分かんないけど…ま、そーゆーことだから」
『…ありがとな。』
亜莉亜の言葉に三人の顔はほころぶ。
そして、亜莉亜の視線は、敵であった４人に移る。
怜「魅月」
魅「お兄様…」
魅月は涙と雨でぐしゃぐしゃに濡れた瞳を兄に向ける。
怜「もう、いいんだな？」
魅「……」
魅月は無言で頷く。
魅「そら、江恋、ごめんね」
そ「気にしないでよ。僕だって、自分の意志で瀞霊廷潰しに参加したんだし…ね？」
江「わ、私だって……。だから、私たちのことは気にしないで」
微笑む二人に魅月はまた涙ぐむ。
怜「……」
拓「とりあえず、一件落着ってことで！」
『あとは、大量の虚駆除だな』
杏「《零》の出番ですね！！」
龍「うおっしゃぁぁぁ！！思いっきり暴れてやる！！」
『調子に乗ってると、大量出血で死ぬぞ』
龍「えっ、俺、そんな……？」
亜莉亜の言葉に龍の顔が一気に青ざめる。
『…冗談だ』
拓「ま、そう遠くもなさそうだけどね」
魅「神影隊長。」
魅月に呼ばれ、亜莉亜が振り向く。
魅「私たちも手伝います。だって、私たちが呼んだ虚なんだし、責任くらいちゃんととりたいから…」
『勝手にしろ』
微笑みながら、亜莉亜はそう言った。