魅「閻魔の本当の姿よ。」
『……』
魅「さあ、閻魔…神影亜莉亜を処刑しなさい」
その言葉と共に、炎の物体は一気に濃縮され、不気味な色を纏う一体の鬼となる。
何も感じていないかのような無機質な瞳に、巨大な体。
手には巨大な鎌を携えて…
『………』
か細い声で何かを呟く亜莉亜。
魅「怖い？そうよね、あんたは今から私たちの両親を奪い、私たち自身まで殺そうとした罰を負うんだもの。ふふ、惨めなものね」
『…めろ…』
ゆっくりと魅月は亜莉亜に迫る。
亜莉亜は俯いたまま反応を示さない。
魅「フフッ、そんなに怖がってもらえるなんて、嬉しいわね。命が惜しい？？…馬鹿みたい！あたしはね」
魅月が次の言葉を並べようとしたときだった。
『やめろ。』
魅「！？」
はっきりと聞こえた声に魅月は驚いた。
『…私は、貴様らの両親は、そんな危険なことを望んでない！！』
真っ直ぐな、そして悲しげな目で語る。
魅「分かったようなことを言わないで！」
しかし、魅月は亜莉亜の話を聞こうとしない。
『──やめだ。仕方がない、すべて教えよう。』
魅「何も言わないで！！時間稼ぎしようとしたって無駄よ！！あなたはここで」
『貴様の両親のこと、そしてあの日のこと。知りたくないのか？』
魅「…ッ」
『だから…』
フッと亜莉亜の表情が緩む。