拓「嘘はつかないほうがいいよ。大人しく差し出してくれるかな。」
「絶対に差し出すものか！魅月は私たちの大事な子供！」
魅「…おとうさま、おかあさま？どうか…！」
「捕まえたぞ！早く王族に差し出せ！」
「魅月っ！！魅月を放して！」
魅「おかあさまっ！やだ！はなして！たすけて！おかあさまっ！おとうさまっ！」
「こら！暴れるな！」
「魅月を放せ！」
「そいつらを抑えろ！」
「大人しく見ておれっ！」
「さあ、早く魅月をつれていってください！」
「魅月！魅月っ…お願いです！魅月をつれていかないで！お願いですからっ！」
「余計なことを言うな！」
魅「おとうさま！おかあさま！いやぁぁあ！」
「早くっ！」
拓「どうする？」
『──やめだ。帰るぞ。』
拓「確かにね。」
「ど、どういうことですか！？なぜっ…」
『特に理由はない。また来る。』
シュッ
拓「ちゃんと意見まとめといてね」
シュッ……
「……魅月っ！魅月を放して！」
「チッ！貴様らのせいだ！」
魅「おかあさ…」

二人が去ったあとも、屋敷の中から酷く争う声が聞こえてくる。