燃ゆる想い
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「誰なんだ、あいつ」
のぞみに問うてみるが、彼女は頬を押さえたままぼんやりしている。
「大体、なんでこんなところに居るのさ。
厠に行ったんじゃなかったの?」
聞こえていないのか、はたまた答えるつもりがないのか、彼女は頬を押さえたまま黙っている。
「ほら、部屋に戻るよ」
声を掛けて歩き出したが、彼女は沖田について来ようとしない。
「総司、何やってる!さっさと部屋に連れて行け!」
(煩いなぁ、もう)
そう思いながら肩を掴むと、彼女はカタカタと小刻みに震えていた。
(───?寒い、かな?)
仕方なく沖田は肩に腕を回して、自分の方へ引き寄せてやる。
彼女の体温を感じたと同時に、「ふうっ」と息を漏らすのが聞こえた。
これで、大丈夫に違いない。
のぞみの肩を抱きながら、沖田は部屋を出ようと歩き出した。
足を引きずるようにして彼女はついてくる。
「足、痛いの?」
だが、彼女は答えない。
ひょっとしたら足が痺れていて、それが恥ずかしいのかもしれない。
そんなことを思いながら、明里の前を通り過ぎようとした。
その時、のぞみがびくっとして沖田の着物を握りしめた。
明里は、男達の手を振りほどこうと、気が狂ったみたいに暴れていた。
燃ゆる想い<4>/終
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