燃ゆる想い
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チントンシャンテントン
お座敷から流れてくる三味線と鼓の調子に合わせて、沖田はヒョイヒョイと手を動かした。
どの部屋からも野太い笑い声が上がっている。
(呑気なものだねほんと)
こんなに呑気にしていられるのは、一体誰のお陰だと思っているのか。
(僕たち)
───いや、僕が
(京の治安を護ってやっているからじゃないか)
チントンシャンテントン
(ハジメ君が来る前に帰っちゃおうかな)
こんな所で畏まって飲んでいるより、前川邸の隊士たちと飲んで馬鹿騒ぎする方がずっと面白い。
のぞみを見付け次第、早々に屯所に連れ帰ろう。
(よし、そうしよう!)
そう決めて、沖田は思い出した。
「そうだ、あの子を捜してたんだった」
きっと今頃は部屋に戻って、ちまちま料理をつついているに違いない。
「あーあ、ほんの少しでも心配して損した」
両手を頭の後ろに組んで、のっしのっしと廊下を進んだ。
すると、後ろからバタバタと複数人の足音が迫ってくる。
(───何だ、不逞の輩か?!)
振り返って、対峙する。
「すんまへん、お武家さま!
ちょっと通しとくれなはれ!!」
勢いに気圧されて、沖田はひょいと避けて背中を壁につけた。
それは予想に反して、ガラの悪い浪士ではなく店の男衆だった。