燃ゆる想い
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土方さんは高杉に言っても無駄だと思ったのか、今度は明里さんに向かって言った。
「明里、どうした」
あたしは才谷さんの陰からそっと様子をうかがう。
そして、ゾッとした。
もう大丈夫ねや───何が大丈夫なものか。
明里さんの目が、恐ろしく吊り上がった目が、あたしを睨みつけていた。
金縛りにあったように、あたしの身体は動かない。
そうまるで、蛇に睨まれたカエルだ。
「明里」
土方さんが声を掛ける。
明里さんの身体がゆらりと前へ倒れた。
いや、倒れたのではなかった。
彼女は飛びかかったのだ。
「ちょっ………!!?」
才谷さんの声は明里さんの身体で蓋をされたみたちいにくぐもった。
目の前に………、あたしの目の前に、明里さんの顔が迫る。
恐ろしいはずなのに、尚もあたしは思った。
───美しい
まるで、映画のスローモーションだ。
映像だけが流れてゆくのを、あたしはただ見守るばかり。
ゆっくりと明里さんが目の前に迫った。
美しい装束がフワリと舞って、まるで蝶のよう………。
次の瞬間、あたしを取り巻くすべての音が、洪水のように大音量で耳の中に流れ込んだ。
「やめい!!」
才谷さんの声が身体に響く。
同時に頬に熱いような痛みを覚えた。