燃ゆる想い
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沖田が部屋を出ると、すでに数人の侍が廊下にたむろしていた。
どうやら、二つ向こうの部屋でなにかいざこざが起こっているらしい。
(やれやれ、)
こんなところで暴れる奴がいるなんて。
(まるで芹沢さんみたいだな)
狭い廊下。
男達の背と壁の間を摺り抜けるようにしながら、その頭越しに部屋の中を覗こうとした。
(ちょっと、動くなよ)
見えないじゃないか───と、首を伸ばす。
沖田は鼻の下を伸ばして部屋の中を覗いてみた。
部屋の奥の方で、大柄の男が妙な恰好でうずくまっている。
どうやら、誰かを庇っているらしい。
「泥棒猫!!」
(何だ?)
目の前に並んで立っている男たちが壁みたいになって、足元が見えない。
「誰か、手ぇ貸せ!!」
その足元から男の怒鳴り声が上がった。
(ははん)
沖田は、ふん、と鼻息を荒くした。
遊女同士の諍いだ。
客を盗った盗らないで、時々喧嘩になることがある。
(あの子には関係のないことだな)
突然興味が失せた沖田は、「はいはい、ちょっと通してくださいよ」と男たちの後ろを擦り抜けた。
まだ背後では争い事は続いているようだが、沖田の興味はすでに他のことに移っていた。
「まったく、いつまで厠に閉じこもってる気だよ」
ブツブツ言いながら歩いて、厠へ向かった。