燃ゆる想い
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どん、という大きな音が先だったのか、それとも後だったのか。
とにかくあたしの身体が吹っ飛んでいた。
(───なに?!)
訳が分からないまま、とっさに身体を丸くする。
そのあたしの身体に誰かが覆いかぶさった。
「おい、誰か!!」
高杉が喚いている。
「誰か手ぇ貸せぇっ!!」
「いやや、離しとくれやす!」
明里さんの金切り声も上がった。
隣の部屋から足音が聞こえた。
客たちが一斉に立ち上がったのだろう。
続いて、襖を開け放つ音が響く。
「何事だ!!」
廊下から聞こえてくる。
「いやや!こんな女、死んだらええんや!!」
こんなオンナ────って、誰や?
顔をあげてみて、あたしは仰天した。
あたしの上に覆いかぶさっている人の着物の下から覗き見える光景。
高杉が、もみ合うようにして明里さんの手首をつかんでいる。
「ちょっ────」
「今はここに隠れちょれ」
立ち上がろうとしたあたしを、才谷さんの声が制止した。
あたしに覆いかぶさっていたのは才谷さんだったのだ。
「でも、明里さんが」
「おまんを殺すつもりじゃ」
「────ええ?」
「明里は、おまんを殺そう思うちょる」
「なんで?!」
才谷さんは、くんくんとあたしの首筋を嗅いだ。
「おまん、男の匂いがしちょる」
「へ?!」
そう言えば、さっき声をかけられたとき、彼女もあたしのニオイを嗅いでいた。
てっきり、【魚の臭いをつけて来るな】という忠告だと思っていた。
【新選組のお方どすか?】
そうか────山南さんの匂いだ!