燃ゆる想い
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(サカモト?)
才谷ではないのか?
それとも、サカモトが変名なのか───。
そういえば、前に会ったときにも思ったが、才谷さんはどことなく【坂本龍馬】に似ている気がする。
(───え、本人?!)
では、このザンギリ頭は誰だ。
いやいや、坂本龍馬を偶然見かけたからと言って、この男も有名人とはかぎらない。
(さっき、タカスギって呼ばれてたやんな。………高杉、………高杉晋作?)
一くんによれば、英国公使館に放火した頭の狂ったチンピラだ。
(確かに、チンピラっぽい………)
(言葉遣いは丁寧やけど)
それに、長州人だ。
あたしが新選組の関係者だと知れたら、どんな目にあわされるか分からない。
(ヤバいやん!!)
一くんが迎えに来てくれるはずだけど、それはまだ先の話だろう。
何とか、上手くここから脱出しなければならない。
「おまん、あれから元気にしちょったか?」
才谷さんが呑気な調子で聞いてきた。
「───え?
あー、はいはい。元気にしちょりました」
才谷さんは下唇を突き出して不満げな顔。
「田舎者じゃと馬鹿にしちょるがじゃな、おまん」
「しちょりません、しちょりません」
まだ言うか、という顔をしたかと思うと、才谷さんは「がはは」とのけ反った。
「相変わらずのんきな女子じゃあ。のう、そう思うがじゃろう」
高杉に向かって、自分こそが呑気なことを言っている。
あたしは、とにかく上手い口実を見つけてここから脱出しなくてはいけない。
こんなところにいたと土方さんに知れたら、今度こそ首が胴体から離れるかもしれない。