明けましておめでとうございます
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「あ、だけど」
山南さんがポンと膝を叩いた。
「明日の朝早く、下坂だろう?」
そうだった。
近藤さん以下、山南さんと馬詰さん以外の全員は、明日から大阪出張なのだ。
なんでも将軍様が大阪に来られるので、その護衛に加えてもらえることが決まったらしい。
「あー、そうだったぁ!」
平助くんは残念そう肩を落とした。
「何だい、残念そうだな」
「だってぇ、せぇっかくのぞみと一緒に【えーご】の勉強しようと思ったのにぃ~」
「何を言っているんだ。名誉なことじゃあないか。
本当なら、私だって───」
山南さんは悲しそうに目を伏せた。
あたしは平助を肘で小突く。
「そ、そうだな!名誉なことだ、うんうん!」
平助くんは、立ち上がると障子に手をかけた。
「早く飯食って、下坂の準備しなきゃ」
バツが悪そうに言って、そそくさと部屋を出て行った。
平助くんの足音が去ってしまうと、ようやく山南さんは顔を上げた。
悪戯っぽい笑みを浮かべている。
「なぁんて」
クスリと笑って、山南さんは肩をすくめた。
明けましておめでとうございます<1>/終