燃ゆる想い
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
苦労して、やっと見たことある長い廊下の入り口にたどりついたあたしは再び立ち尽くした。
(────え、どの部屋やったっけ?)
物珍しさから、キョロキョロしながら仲居さんの後をただついて歩いただけだったので何番目の部屋だったか覚えていない。
そろそろと廊下を歩いて、一番目の襖に耳をつけた。
ぼそぼそと男の低い声に続いて、華やかな女の笑い声があがった。
「…………、はて」
次の襖に進み、またそっと耳をつける。
三味線の音が聞こえている。
「さっぱり分からん」
襖から耳を離した時だった。
「こぉらぁっ!」
大音声とともに、襟首をむんずと引っ掴まれて、あたしは仰向けにひっくり返った。
どすん、と背中が廊下に叩きつけられる。
「痛ったぁ!!」
「お主、何もんじゃあああ!!」
怒鳴られて、薄目を開けると
「────、あっ?」
「やや?」
仰向けになったあたしをのぞき込んでいる顔には見覚えがあった。
「ああーーーーー!」
「おおーーーーーっ?」
この時代にしては長身のその男は、あたしの脇に手を突っ込んで立ち上がらせた。
「のぞみじゃ!!」
「だんごの!!」
男は顔をしかめる。
「何じゃ、儂の名を忘れてしもうたんか?
何時じゃったか、団子を食わせちゃったじゃろう………」
「そやから、団子のーー、サカタニさん?
いやいや、サカグチさん、ちゃうな、サカモト?」