燃ゆる想い
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「あの、もしや、新選組のお方どすか?」
そう問われてギクリとする。
(───え、なに?)
ここは慎重に答えなければらならない。
うっかり「はい」なんて答えて、彼女が長州の宴会場に駆け込まないとも限らない。
あたしは出来るだけ、平静を装って答えた。
「いえ、ちゃいますけど」
こういう時は、京都弁が都合がいい。
関西弁を話す隊士はあまりいないからだ。
「おなごはん?」
答えないでいると、彼女は疑り深い目付きであたしを見詰めてきた。
まるで美しい豹に見据えられているような気分。
身じろぎも出来ずに、あたしは彼女を見つめ返した。
一体何秒間この睨み合いが続いただろう。
ついに彼女がわずかに身じろぎした。
いや、あたしより少し背の低い彼女が、ほんの少し首を伸ばすようにしたのだ。
(───え?!)
どうやら彼女は、くんくん、とにおいを嗅いでいるようだ。
(────げ、くさい?!)
確かに着替える暇もなく来てしまった。
今朝は台所で干物を焼いたから、魚臭くなっているかもしれない。
(何なん、失礼なオンナやなっ)
自分は綺麗に着飾って、いい匂いを放っているからといって、その態度はあまりにも無礼ではないか。
少しムッとしながら、あたしは彼女に背を向けた。