燃ゆる想い
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「────はあ?」
「それに、私には彼女の介添えが必要だ。ご覧の通り────」
その先を言わせないためか、土方さんはくるりを背を向けた。
あたしがいなくても、馬詰さんが同行すれば問題無いことに土方さんも気付いているはずだ。
なのに、何も言わないのは、やはり山南さんに負い目を感じているからなんだろう。
「連れて行きたきゃ勝手に連れて来い。とにかく、もう行くぞ」
ぶっきらぼうに言って、大股で部屋を出ていく。
その土方さんの背中を見送ってから、山南さんは悪戯っ子みたいな笑みを浮かべた。
「さ、副長の許可が出た。行こう」
今も吊っている左腕をちょいと持ち上げた。
【おいで】という意味であり、あたしはそっと腕を絡める。
玄関まで行くと、駕籠が待っていた。
一つは土方さん、もう一つは山南さんの駕籠と見るべきだろう。
山南さんと腕を組んで現れたあたしを、土方さんは怒りの目付きで睨みつけた。
「お前ぇは馬詰と一緒に走ってこい」
「ええーーーー!?」
「たりめぇだろ」
だが、そもそも駕籠が苦手なあたしは、用意されていたとしても乗ることが出来ない。
「ほな、先行っといて下さい」
「留守番してたらいいいだろ」
巻舌で凄んでくる。
「のぞみ君が行かないなら、私も行かない」
土方さんは、盛大に舌打ちすると大声である人の名前を呼んだ。
「総司ぃーーーー!」
耳元で土方さんががなり立てたので、あたしは思わず顔をしかめた。
「総司ぃーーーーっっ!!」