悋気
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「違うか、………そうだね」
自嘲するみたいに言って、山南さんは大きなため息をついた。
「土方くんは、私が明里に会ったら気が変わるとでも思っているんだろう」
「………、違うんですか?」
あたしは恐る恐る訊いた。
「そのくらいで変わることなら、そもそも破談になどしないよ」
そうか───と、あたしはうつむいた。
そのくらい、山南さんにとっては苦渋の決断だったのだ。
当然と言えば当然だけど。
「でも、どうするかな。
折角のご好意だ。もしもお誘いがあったら、嫌がらずに受けるとするよ」
(………なんや、そうなんや)
行きたくないと、断るかと思っていたのに。
微かに───いや、かなり大きく落胆して、あたしは盃に残ったお酒をひと息に飲み干した。
悋気/終