悋気
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仕方なく盃を受け取ると、山南さんは並々とお酒を注いだ。
灯火が映り込んで、水面がキラキラ光っている。
あたしは、そこに唇をつけた。
「土方くんに、何か言われたのかい?」
驚いて山南さんを見ると、苦笑を浮かべている。
「何か嫌な事を言われたんじゃないのかい?」
あたしは、ハッとして笑顔を作った。
「いえ、なんでもないです」
「そう………」
山南さんに言っておくべきだろうか。
「なんだか、寂しいな」
驚いて山南さんを見ると、膝の上に握った拳を見つめていた。
「君はいつだって、そうやって本心を隠してしまう」
苦笑いを浮かべて、山南さんは左腕をさすった。
「土方くんの方が、何でも話しやすいかい?」
「───え、?」
意外な言葉に、あたしは山南さんの顔を見た。
「土方くんとは、いつも遠慮しないで怒鳴り合っているだろう?」
「それは、」
それは、土方さんがムカつくからだ。
「こんな身体になってしまったけど、私なりに君の力になりたいと思っているんだけどな」