悋気
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土方さんの部屋を出て、山南さんの部屋に向かう。
【島原だ。顔を見れば気が変わるかもしれん】
平成生まれのあたしにとって、それが誰であれ【女を買いに行く】ことは不快なことである。
───それが好きな人なら尚更
山南さんは、明里さんからの手紙を読んでどう思ったろう?
会いたいと、抱きたいと思っただろうか───。
障子の前でため息を一つついてから、あたしは声をかけた。
「サンナンさん、開けてもいいですか?」
返事より先に、障子がスッと開いた。
すでに入浴を済ませたのか、山南さんは袴は着けずに普段着を着流している。
いつものように、山南さんとあたしの二人分のお膳を並べて置いて、自分の席に着いた。
山南さんが盃を持ったので、それにお酒を注ぐ。
「どうかしたのかい?」
山南さんは、盃に唇をつける前にまず訊いた。
「───え、どうもしませんけど」
あたしの顔をまじまじと見ながら、山南さんは注がれたお酒を飲み干した。
そして、盃をあたしに差し出す。
「ほら、飲みなさい」
「え、………でも」
「いいから」