悋気
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「でも、それじゃあサンナンさんが明里を好いているかどうかは分からねぇだろ」
そんなこと───、恋文を開いたときの山南さんの表情でわかった。
「第一、なんでそれが明里からの恋文だと知っているんだ。
サンナンさんがそう言ったのか?」
「それは、言うたはりませんけど………」
「ははん、」
土方さんは、薄目であたしを見た。
「中を読んだな、お前ぇ」
面白がるように薄笑いを浮かべている。
「だって!」と、あたしは反論した。
「変な手紙やったら危ないやないですか。
それやったら、サンナンさんに渡す前に土方さんに相談した方がええか、とか色々考えたんです!あたしなりに!!」
「フン、そうかィ」
なぜか、機嫌良さそうに土方さんは答えて、箸を取り上げた。
「ほな、」
あたしは言って立ち上がり、障子に手を掛けた。
その背中に土方さんが声をかけた。
「明里のことは俺に任せろ」
意味が分からず、あたしは振り向いた。
「また妙な手紙を預かったら、今度は先に俺に持って来てくれ」
「あ、………はい」
「それとも、一度サンナンさんを連れて行ってみるかな」
「………どこへです?」
「島原だよ。顔を見れば気が変わるかもしれん」