悋気
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「それはそうと、近藤さん」
仕事のことだな────と、近藤は表情を引き締めた。
「政変があってから
確かに毎月給金も入る身分にはなったが、役目は相変わらずの市中巡邏ばかり。
若い者や、新しく入った者のように、政変の時のような活躍を期待して加入した者の脱走が後を絶たない」
近藤も難しい顔で頷いた。
そして、苦虫を噛み潰したような顔で土方を見た。
「おい、トシ、お前ぇ知ってるか」
最大限声を抑えて囁いてくる。
土方は、怪訝な顔付きで応えた。
「俺、見ちまったんだよ…………」
「…………何を?」
「いやぁ、参っちまったよ。
いやな、昨日、ここへ来る前にふらっと前川邸に立ち寄ったんだが───」
そこで話を切ったので、土方は先を促すように近藤に目配せした。
「それが、庭木の陰でだな」
また話が途切れる。
近藤の視点がキョロキョロと落ち着かなくなった。
まさか────すでに、山南に手を付けられた後か。
「────で、庭木がどうしたんだ?!」
おのずと土方の語気は強まる。
「庭木の陰で、隊士が───」
「隊士ィ?」
拍子抜けして、声が裏返る。