悋気
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吐く息が白い。
馬詰に介助されながらゆっくりと八木邸の長屋門を出て行く山南の後姿を、少し開けた障子の隙間から土方は見ていた。
馬詰の反対側にはのぞみが付き添っている。
「くっつき過ぎじゃねぇのか」
土方は、苛立たしげに貧乏揺すりをした。
「────え?」
火鉢の上で手を擦っていた近藤が顔を上げた。
そして、顔をしかめる。
「トシィ、障子を閉めてくれ。部屋が冷えるじゃないか」
障子の隙間から何かを見据えている土方の表情に気付いて、近藤も表情を引き締めた。
「どうした、何を見てる」
腰を上げて障子に近付くと、土方は慌てたようにピシッと閉めた。
「なんだよ」
「何でもねぇ」
ムスッとして土方は答える。
だが、障子が閉められる寸前に、近藤はチラッとだが【それ】を目視していた。
「ははん、」
「なんだよ」
「妬いてるんだな」
「はあっ?何の話してんだ」
あっはっは────と、近藤は笑う。
「のぞみ君だろう。
サンナン君の面倒をよく見てくれているからなぁ」