ドキドキのお留守番
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ややあって、一くんは口を開いた。
「何かあったら、俺はあんたをここから逃がさねばならん」
「その、タカスギシンサクが来たらってこと?」
「高杉に限ったことではない。
………あんたのことは、副長から頼まれているから」
聞こえるか聞こえないかという小さな声で一くんはそう付け足した。
馬詰さんだけでは頼りないと、土方さんは思ったのだろうか。
「とにかく、副長に心配をかけるような真似はやめろ」
別に、山南さんを好きになることが、それほど土方さんの迷惑になるとも思えないけど。
一くんは、あたしを部屋まで送ってくれた。
「ではな」
「うん、ありがと。おやすみ」
一くんが見守るなか、あたしは部屋に戻った。
「はーぁ、」
がっかりのため息か、はたまた、ホッとしたのため息なのか。
掛け布団の上にドスンと座り込む。
(アカン、いうことやな………)
明里さんを出し抜こうなんて。
山南さんがあたしに優しくしてくれるのは、明里さんに会えない寂しさを紛らわせるために過ぎない。
あたしを、好きなんじゃない。
(分かってたやん、それくらい)
それでもいいから、たった一度でいいから。
山南さんに───。
「はぁ、」
頭を振って、あたしは布団に潜り込んだ。
ドキドキのお留守番/終