ドキドキのお留守番
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「ただのチンピラだ」
ガクッ───と、あたしはズッコケた。
どうやら、あたしが持っていたわずかな知識もかなりいい加減なものだったようだ。
「あんたの言う通り、頭のおかしい連中だから、もぬけの殻の屯所を焼き討ちに来ないとも限らんだろ」
「まあそうかもしれんけど、ハジメ君一人残ってたってどうなるもんでもないやろ───」
普段は眠たげな二重まぶたの大きな目が、ギョロリとあたしを睨みつけた。
「ごめんごめん、ハジメ君がすごい強いん忘れてたわ」
ペシペシ、と一くんの胸を叩くと、怒ったような困ったような変な顔をした。
「分かったならさっさと用を足して蒲団に入れ」
確かに、喋っている間に、本当にトイレに行きたくなってきた。
それに、一くんの登場を少しホッとしている。
これで、山南さんのところへ行けなくなった口実ができた。
「ついてきて?」
「何?」
「そやから、ついてきてってトイレ」
「何故、俺が───」
「【なにゆえ】って、もしかしたらお庭に悪い人が隠れたはるかもしれんやん。
そのために残ってんにゃろ、ここに」
「致し方無い」とかなんとかブツブツ言って、嫌々ながらも一くんはトイレまで先導してくれる。
そういうところが、ちょっと可愛くて笑ってしまう。
「ハジメ君、どこで寝てんのん?」
一くんは答えない。
「さっきは偶然通りかかったん?」