ドキドキのお留守番
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そっと障子を開ける。
誰もいないのに、まずは縁側に顔を出して左右を確認した。
縁側に出るとき板が軋んだが、馬詰さんはすでにそれが聞こえないところにいるはずである。
裸足の足は冷たいはすだが、今はそれを感じない。
感じる余裕がない。
土方さんの部屋の前を通り過ぎる。
角を曲がれば、山南さんの部屋は目と鼻の先だ。
どきん、どきんと、胸の音がやたら大きく闇の中に響いている。
───部屋に入ったら、なんと言おう?
一人で寝るのが怖くて?
聞いて欲しいことがあって?
馬詰さんがトイレに行っている間、山南さんが心配で?
どれも空々しい。
ため息をついて、角を曲がろうとした時だ───。
「こんな夜更けに何処へ行く」
よく知っている声が、背後からあたしを呼び止めた。
口から心臓が飛び出しそうになったのをなんとか飲み下して、冷静に状況を分析する。
(アイツがここにいるはずがない)
だって、みんなと一緒に大阪にいるはずである。
ということは、
(まさか、幽霊………とか?)
たちまち何とも言いようのない寒気が背筋を駆け上がった。
だが、確かに背後に気配を感じる。
(誰!!?)
iPhoneをぎゅっと握り直して、あたしは一思いに後ろを向いた。