ドキドキのお留守番
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───どうしよう
いや、【どうしよう】とかいう問題ではない。
山南さんに渡すほかない。
ざっと読んだところ、熱い手紙だった。
蜜月だった頃の二人の様子が手に取るように分かるような───。
五平から渡された【恋文】を持って、山南さんの部屋を訪れた。
すでに部屋に戻っていた山南さんは、火鉢の上でお餅を焼いていた。
「やあ、おかえり。小腹が空かないかい?」
屈託なく言って、山南さんはニッコリ笑う。
「あ、はい。いただきます」
「もう少しお待ち。君はあんこがいいかい?」
「はい」
さっきまで空いていたはずのお腹は、今は鉛を抱えているように胃が熱く重い。
「あれ、それほど空腹じゃなかったかい?」
いち早くあたしの異変に気付いて、山南さんは残念そうな顔をする。
そうだ、こんなあからさまにガッカリしていては【手紙を盗み読みました】とバラしているようなものだ。
あたしは、息を胸いっぱいに吸い込んだ。
「サンナンさん、これ、預かってきました!」
懐に入れていた手紙を差し出すと、山南さんは箸を左手に持ち替えてから、右手で受け取った。
開けようとして、左手には箸を持っていたことに気付いた山南さんは、苦笑いを浮かべてあたしに箸を差し出す。
「あたしがひっくり返しときます」
にっこりと笑みをあたしに向けてから、山南さんは手紙を開き始めた。
再びあたしの胸がざわつき始める。