ドキドキのお留守番
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「あほぅ、そんな行儀の悪いことできるか!」
「何言うてんのん。いっつも十分に行儀悪いくせに」
「それに、今日来たはったんは、その綺麗な女子に付き添うて来たはったオバチャンの方や。
まあ、オバチャン言うても、美人のオバチャンやけどな」
長州からの呼び出しとか、犯行予告みたいな内容なら、山南さんを守る者として、あたしも知っておかなければならない。
あたしは、開いたことがバレないようにそっと手紙を開いた。
「あーあ、わては知らんでぇ。
ひとの恋文盗み読みやなんて、お前も悪趣味やなぁ」
「そやから、脅迫状やったらどうすんのんって!」
明らかに女性の筆跡である文章を目で追う。
これは────、焦って上手く紙を繰れない。
やっと最後まで手紙を繰った。
そこに書かれていた名は───。
(明里………!)
「とにかく、渡したし!」と言って、五平は帰って行った。
「こわい、お手紙なんどすか?」
ぼんやりしていたあたしにリクちゃんが声を掛けた。
控えめにあたしの手元を覗き込んで、ハッと飲み込んだ息が聞こえた。
「あけさと、はん?」
ドキッとして、リクちゃんを見下ろすと、彼女は申し訳なさそうに首をすくめていた。
「すんまへん、盗み見するつもりやなかったんどすけど。
見えてしもて………」
あたしは息を整えてリクちゃんに言った。
「あたしが盗み読みしたこと、サンナンさんには黙っといてな」
「へえ、もちろん。誰にも言いまへん」
リクちゃんは深々と頭を下げると、家の中に入って行った。