ドキドキのお留守番
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八木さんちの前まで戻ってくると、五平がいた。
五平は「おーい」と、あたしたちに手を振る。
「丁度良かった!」
「何が?」
「これ」と言って、五平は懐から手紙を取り出した。
「手紙?」
「恋文や」
「こいぶみぃ?!」
手紙をあたしに手渡して、「ほな」と五平はまた壬生寺の方へ走って行こうとする。
「ちょ、ちょ、ちょい待ち!」
慌てて追いかけて襟首をつかんだ。
「なんやねん、もう〜〜」
「【なんやねん】やあらへん。誰宛?」
「ああ、サンナン宛てや」
山南さん宛───。
「───て、誰から?!」
「あーほら、こないだ、言うたやん」
壬生寺の山門から中の様子を伺っていた綺麗な女性からだという。
「名前は?」
「知らん」
「知らん、て。聞かんかったん?!」
「聞いたんやけど、【中に書いたある】言わはったし」
「あかんやん、ちゃんと食い下がらな。
長州の回しもんやったらどうすんのよ」
「あっははー」と、五平はからかうように笑う。
「なんやいっちょ前に、隊士みたいなこと言うなぁ。
心配あらへん。あんな綺麗な女子、過激志士の訳ないやん」
「アホやな、そこにつけ込んでくるんやろ?
男はみぃんな綺麗なオナゴに弱いさかいに。
中身確かめた?」