明けましておめでとうございます
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確かに、これは呉服屋のご主人が勧めてくれた反物だった。
「何だと、チビ助」
「いーから、早く来い!」
左之さんに肩をつかまれて、新八さんは台所へ連行されて行った。
「のぞみ、土方さんとサンナンさんとこにはもう持って行ったのか?」
「ううん、まだ」
「じゃ、俺が運んでやるよ」
ウィンクして出て行った平助と入れ違いに、お膳を積み上げた一くんが部屋に入ってきた。
どうやら、あたしたちがゴチャゴチャやっていた間に、台所へ行っていたようだった。
平助くんがすぐにお膳を二つ積み上げて来たので、あたしたちは揃って土方さんの部屋に向かった。
「あけましておめでとうございまーす!」
言いながら障子を引き開けたあたしたちを、土方さんは腕組みのむっつり顔で迎えた。
「なんなんです、お正月早々、怖い顔して」
「そっちこそ何だ。正月だからって、浮かれた格好しやがって」
きっと、あたしの晴れ着のことを言っているのだ。
「いいと思わねぇ?!土方さぁん!
いやー、ちょっと値が張ったけど、やっぱり買って良かったな」
「なー!」と、平助くんはあたしと目を見わせるように顔をのぞき込んだ。
土方さんは、ますます不機嫌そうに顔を歪める。
「はい、土方さんのこれね!」
平助くんがお膳を土方さんの前に据える。
土方さんは、ジロっとあたしを睨み付けた。
「お前ぇは、そこで何をやってるんだ」
ただ突っ立って見ているだけのあたしに、土方さんは噛み付いた。