ドキドキのお留守番
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<1>
土方さん達が出発してから数日が過ぎた。
馬詰さんは、忠実に山南さんの身の回りのお世話をこなしている。
ということで、あたしも山南さんに特に接近できるわけでもなく、土方さんがいなくても、いる時と同じような生活を続けている。
【事と次第によっちゃあ、馬詰が詰め腹を切らされることになる】
そうクギをさされては、あたしもヘタな真似はできない。
ミシ、───あたしは聞き耳を立てる。
馬詰さんだ。
一昨日の夜気づいた。
彼は、夜中に一度部屋を出ていく。
山南さんを起こさないようにと、足音を立てないようにそろりそろりと歩いてはいるがこの静けさである。
かすかではあるが、障子を開ける音も閉める音も確認できる。
あたしは枕元に伏せてあるiPhoneを手に取って、ストップウオッチをスタートさせた。
たぶんトイレだ。
あたしは、八木さん達が使う屋内にあるトイレを使わせてもらっている。
だが、当然馬詰さんは、外にある使用人が使うトイレまで行く。
思った通り、馬詰さんが戻ってきたのは10分くらい後のことだった。
(そやから何やねん、ちゅうねん)
この間をぬって、山南さんの部屋に入り込もうか。
でも入り込んだからといって、それからどうしよう?
おしゃべりすれば、戻ってきた馬詰さんにバレてしまうだろう。
(一緒に寝たいな………)
寒いから───と、山南さんはよく羽織の中に入れてくれる。
話すたび、動く唇が額に触れるのは偶然、それとも故意?
山南さんの唇が触れるたび、身体の芯に電流が走るような快感が突き上げる。
男の人に抱かれるというのは、こんな感じなんだろうか………