明けましておめでとうございます
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
急に顔をこちらに向けたので、あやうく唇と唇が触れ合いそうになった。
慌てて身体を離そうと思ったけど、山南さんの右腕がしっかりとあたしの身体を引き付けているのでそれは叶わなかった。
「うん、ここよりは積もるかな」
唇の動きが額に伝わって、くすぐったいような、痺れるような快感が身体の中心を駆け抜ける。
「でも、京の方が寒いよ」
きゅっと、山南さんが抱きすくめたせいか、唇がおでこに押し付けられた。
思わず山南さんの着物を握りしめてしまったあたしに、「君はとても温かいね」と唇を動かした。
とろけてしまいそうな幸せなひとときを、一人の声が破った。
「おーい!」
手を高くあげて、山門を抜けて来る一人の人物。
「おや、正月早々やってきたな」
額から唇を離して、山南さんが小さく息を吐いた。
身体に回していた腕も、少し緩められて、山南さんとの間に隙間ができる。
「なんや、なんやぁ?
正月早々、こんなとこで乳繰りおうてる罰当たりなもんがいる思たら、サンナンやないか!」
「どこの芸妓引っ張り───」そこまで言って、五平は顔を引き攣らせた。
「のぞみ?!」
今度は五平は、口をあんぐり開けて目を見開いている。
「なんや? 天変地異の前触れか?!」
「うるさい!」
そういえば、年末から忙しくしてたので、髪を結った姿を五平にまだ披露していなかった。