明けましておめでとうございます
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「いいんですか、あたしがもらっても」
「どうぞ」
竹筒を受け取って、山南さんが口をつけたところに、そっと唇をつける。
よくよく考えたら、盃だって回し飲みしているのだから、今さら恥ずかしがることはないのに。
ここが明るい空の下だからか、恥ずかしいようなくすぐったいような、悪いことをしているような、なんだか変な気持ちがした。
「流石に正月は、誰も遊びには来ないか」
境内を見渡して、山南さんは残念そうに言った。
山南さんは、子供好きだ。
総司くんみたいに走り回ることは出来ないけど、面白おかしく聞かせる故郷の話や昔話は子供たちに人気がある。
「そや、初詣しとこっと!」
立ち上がって、お堂の上まで駆け上がる。
しごきで裾を短くしているものの、やはり裾がまとわりついて歩きにくい。
土方さんの言うことを聞いたみたいになって悔しいけど、お正月が済んだら、やっぱり袴姿に戻そう。
パンパン、と手を叩くと山南さんが、「おいおい」と声を掛けた。
振り返ると、馬詰さんが困ったような顔をしている。
「また柏手を打っていたよ」
上体ををひねるとまだ痛むせいか、山南さんはぐるりと身体ごとこちらを向いて見上げた。
「あっ!!!」
「ほんまでした………」と、あたしは頭に手をやった。