明けましておめでとうございます
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「お雑煮、あきませんでしたかやっぱり」
「トコロテンといい、雑煮といい、何でこう京の連中ってぇのは甘ぇモンが好きなのかねぇ」
トコロテンちゃうし、くずきりやし───そう思いながら、お膳を持ち上げようと腰をかがめた。
「ちょっとそこへ座れ」
はいはい───聞こえないように溜め息をついて、文机に向かっている土方さんの後に据わった。
土方さんは、墨をすっている。
やがて、土方さんはぐるりと身体ごとこちらを向いて座り直した。
どうやら、長い話になりそうだ。
あたしも、モゾモゾと居住まいを正す。
「で、お前ぇはいつまでそんな格好をしてるつもりだ」
「へ?」
「野口の通夜以来、色気付いた格好しやがって」
せっかく髪を結ってもらったので、土方さんが買ってくれた普段着の女物を取っかえ引っ変え着ていたのだ。
「別に色気づいてませんし。
せっかく土方さんがお着物
土方さんは、怒ったような照れたような変な顔をしたが、またムスッとした。
いちいち素直じゃないオッサンである。
大きく咳払いして、今度はよそ行きの話し方で始めた。
「言ってあった通り、明日の朝、下坂する」
「はい」
「お前に言っておきたいことは一つだけだ」
あたしはうなずいて言った。
「例の証文の件やったら、ちゃあんと持ってますし大丈夫です」
「は?」
「あたしが失くしてないか、心配なんでしょ?
大丈夫、ちゃあんと、行李の奥の方に入れてありますんで」
土方さんは、呆れた顔であたしを見下ろした。
「そんな事だから心配で仕様がねぇんだ、馬鹿野郎」