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らくがき



絶体絶命───!

だが、連中はあたしたちに斬りかかることはなく、裏口の方へと足早に去っていく。

(────?)

そう思って、入口を見た。

「───あっ、」

そこにいたのは、

「あ───、じゃないだろ、【あ】じゃ」

うんざりした表情の総司くんだった。

「総司くん!」

あたしは腰が抜けたみたいに、小上がりの座敷に座り込んだ。
浅葱色の羽織を着た総司くんの背後から、明るい笑顔が覗き込む。

「ご無事でしたか!」
「山野さん!」
「我々がお守りしますから、ご安心を」
「はぁ~、死ぬかと思った~~!」

甘いマスクに笑みを浮かべて、山野さんが「良かった」とうなずいた。


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 山野 八十八(やまの やそはち、1841年(天保12年) - 1910年(明治43年))は、新選組隊士。美男五人衆の一人。
 加賀で生まれる。文久3年(1863年)に島田魁、尾形俊太郎とともに入隊。池田屋事件には屯所を守っていたため不参加。沖田総司率いる一番隊に所属していたという記述が残っている。新選組が鳥羽・伏見の戦いに敗れる江戸へ退き箱館へ行き着くまで在隊したが、新選組が箱館で降伏する前に離隊した。
 維新後は京都の菊浜小学校の用務員を勤め、明治29年(1896年)に退職。明治41年(1908年)、戊辰戦争前に別れた恋人と娘に再会し、共に暮らして生涯を送った。
(Wikipedia)
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