始まった日々
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店を出ようと再度ゲタに足を入れると、親指と人差し指の間と、鼻緒の当たっている足の甲がひどく痛んだ。
うどん屋を出て角まで歩かないうちに、
「──総司、」
背後を歩いていた一くんが、前に向って声をかけた。
総司くんは、くるりと振り返ると後ろ向きに歩く。
「もう少し、ゆっくり歩いてくれ」
総司くんは、怪訝な顔で小首をひねった。
「どうしたの、一くん。何かあった?」
「のぞみが足を痛めている。もう少し、ゆっくり歩いてやってくれ」
平助くんが驚いて、あたしの肩を掴んで立ち止まらせる。
足元を見てから心配そうに顔をのぞき込んだ。
「鼻緒ずれか?」
「……、うん」
不覚ながら、あたしは小さくうなずく。
平助くんはしゃがんで、足元を見た。
思わずあたしものぞき込む。
「ちょっと、下駄を脱いでみろ」
平助くんに言われて、そっと足を引き抜くと指の間と甲に熱いような痛みが広がった。
「あちゃー、ひでぇなこりゃ」
「えー、ほんま?」
「ああ、皮がずる剥けだよ」
「えーーー、」
それを聞いたとたん、ゲタに足を戻すのは嫌になった。
「しもたぁ、さっさとサンダルに履き替えといたら良かった……」