始まった日々
夢小説設定
名前変更名前の変更ができます。
※苗字は固定となっています。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「山崎か」
「だまし討ち、ってなんだよ」
平助くんが笑った。
「だってさ、男前やと思って気ぃ許してたら、捕まったんやもん」
「まあ、確かに山崎くんは男前だけどさぁ。
そういうのに騙されるって、ちょっとどうかなぁ」
平助くんは顔をしかめた。
「山崎は確か、大坂の鍼医の息子だろう」
「やっぱり、大阪の人かあ」
総司くんは黙々とそばをすすっている。
その山崎は捕まった夜以来見ていない。
「山崎さんも、屯所にいはるん?」
「山崎くんは前川邸だよ」
「前川邸?」
「うん、おむかいさん」
「でも、あそこは独りで入っちゃ駄目だよ」
総司くんがぴしゃりと言った。
「──なんで?」
ご馳走様、と箸を置いた総司くんにたずねる。
だが、それに答えたのは意外にも一くんだった。
「あいつらは女に飢えているからな」
「そ、男でも女でも、君みたいなガサツな娘でも。
とにかくなんでもいいって奴らが多いってことさ」
「ふうん、──って、今さらっと【ガサツ】って言うたよねあたしのこと」
「そうだぞ、総司。のぞみは一応、(花街にいたんだから)」
途中から声を潜めて平助くんが言ってニヤリと笑った。