The Nightmare After Christmas
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「ごめん」と平助くんに手刀を切って、あたしは土方さんの隣に座った。
切腹を申し付けた当の本人の近藤さんは、既にここにはいない───それとも、まだ来ていないのかは分からない。
山南さんは、馬詰さんに介助されながらお焼香に進んだ。
そのとたん、土方さんが現れた時とはまた違った緊張感で本堂が満たされた。
なんとも気まずい緊張が流れた───というか。
怪我をしてから道場にも顔を出さなくなった山南さん。
今日初めて見る若い隊士はもちろん、怪我をする前の山南さんを知っている隊士たちは尚更、ショックを隠せないでいるのだと思う。
息もできないようなその緊張の糸を切るように、土方さんが咳払いした。
隊士たちにかけられていた魔法が解け、ほっと息をつくのがまるで聞こえたようだった。
あたしがお焼香に立つと、今度はさざ波のように衣擦れが起こった。
土方さんの咳払いで、また水を打ったように静まり返る。
あたしは静かに手を合わせた。
(野口さん………)
リクちゃんを置いていくなんて。
彼女を連れて逃げれば良かったのに。
それをする時間もないほど、急なことだったのだろうか。
───否。
逃げれば討手がかかる。
リクちゃんを巻き込みたくなかったからに違いない。
でも、───
この先、リクちゃんに明るい笑顔が戻ることはあるのだろうか?
(………、恨むで野口さん)
The Nightmare After Christmas/終