The Nightmare After Christmas
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「おい」
土方さんが不機嫌そうにあたしを呼んだ。
裾を引きずってしまっているのかと足元を見下ろしたが大丈夫そうだ。
「なんです?」
「【何です】じゃねえ。なんだ、その持ち方は」
「え?」
「裾は左手に持つんだ、馬鹿。
それじゃあ、女郎みてぇじゃねぇか」
どうやら、裾を持つ手が逆だと怒っているらしい。
「はぁ、そうなんですか?」
「ここは男所帯なんだ。
妙な誤解を受けるような真似するんじゃねぇ」
「ちっ」と小さく舌打ちして、前を向いた。
光縁寺は、弔問に訪れる隊士であふれていた。
普段着ている浅葱色の羽織ではなく、黒の紋羽織を着て白足袋を着けたパリッとした格好だ。
こちらに来てから知ったけど、冬でも足袋をはいている人は少ない。裸足に下駄ばきが基本だ。
こうした白足袋に草履というスタイルは、登城か法事と決まっている。
ちなみに、あたしは「足の指がちぎれそう!」と、うるさく言ったためか土方さんがお金をくれたので、平助くんと一くんについてきてもらって足袋を買いに行った。
土方さんが姿を見せたとたん、本堂に緊張感が走った。
若い隊士たちの肩に力が入るのが見て取れる。
あたしの姿を見留めた平助くんが「あ」と目を見開いた。
「こっち、こっち」と、小さく手招きしている。
そっちへ行こうとすると、ぐい、と土方さんに腕を引かれた。
「お前ぇは、こっちだ」