The Nightmare After Christmas
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土方さんは、小さくため息をつくと、足元に落とした袴を蹴り飛ばした。
「馬鹿な野郎だ」
「チッ」と舌打ちする。
そんな言い方、酷い───そう思っていると、土方さんはボソッと呟いた。
「好いた女がいるのに、なんで慎重に行動しねぇ」
「なんでも、昔からの友達に頼まれて断れへんかったらしいです」
「ともだち?」
「仲が良かった人です。でも、それを断る方が士道不覚悟とちゃうんですか?」
土方さんはあたしを見下ろしたまま黙り込んだ。
「近藤先生が決められたんだ。正しい判断だったんだろう」
「土方さぁん!」
出てきた言葉は、駄々をこねているみたいな言い方になってしまった。
「今更どうにも出来やしねぇことをごちゃごちゃ言うんじゃねぇ」
「そやけど、今後のためにも───」
ジロリと睨まれて、あたしはその後を続けることができなかった。
もう一度ため息をついて、あたしは土方さんの黒紋付用の白い襦袢を広げて背後に回った。
そうして目隠ししておかないと平気でフンドシ一丁になるので、目のやり場に困ることになる。
そうやって長襦袢を掲げ持っていると、土方さんがフフンと鼻で笑った。
「まだ手は付けられていねぇみてぇだな」
「はい?」
土方さんはクスクス笑いながら、襦袢に腕を通す。
人が一人亡くなったというのに、すでに他人事みたいな土方さんに少し腹が立った。