The Nightmare After Christmas
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「あんた、悪いけど、おリクをお通夜に連れてってやってもらえまへんやろか?」
「ああ、そのつもりです。ほんで───」
「あての黒紋付、おリクに貸すさかい───」
おマサさんは、何かに気付いたように、あたしの顔を見上げた。
「あんたはんは?どないしはるんどす?」
「実はあたしも───」
急きょ、ヨシさんが呼び出され、あたしはおマサさんの部屋で髪をギューギュー引っ張られていた。
「痛ッ!!」
さっきから何度そう訴えているか分からない。
ヨシさんは、まるきり無視して髪を思う存分引っ張っている。
彼女はこの時代にしては大柄で、あたしよりも背が高い。
おまけに腕もお相撲さんみたいに太いので、こんなに引っ張られたら、髪が全部抜けてしまうと思う。
「油もつけんと髪をひっつめてるさかい、そんな風に絡んでしまうんどすえ。
それが嫌やったら、ちょっとはあての言うこと聞いて、ちゃあんと油付けよし!」
おマサさんは、助け舟も出さずに涼しい顔でお茶をすすっている。
「いててててて!」
「奥さん、どうしまひょ。髪がまだ短こうて上手いこと結えまへんけど」
「適当でかまへん。なんとか、あんじょうしといたって」
ヨシさんは、「やれやれ」というように息を吐き出した。
「あいた!」
「じっとぉしといとくれやす!」
髪が終わった後も、ギューギュー紐や帯を締められて、あたしはやっと黒紋付に着替えられた。